2007年10月27日

上品そうに

 手皿というのは、食事のとき箸で食べ物を口に運びながら、その下に手を添える行為で、和食では不作法とされている(らしい)。

 けれどそれ以上に私にはあの手が気になってしかたがない。テレビでそんな食べ方をしている人を見ると、お醤油や汁が手に垂れるのではないか、垂れたらお手拭で拭くからいいのか、箸から何かがこぼれ落ちたら…などと、そちらに目が行ってしまう。そもそも手皿を上品な仕草だと勘違いして、わざわざ手を添えているようにも見える。

 同じようなことが気になっている人がいた。堀井憲一郎さんが「ホリイのずんずん調査」【週刊文春 2007年11月1日号】で書いているのだが、若者と食事をすると、年上のホリイさんに気をつかってか、上品そうに左手を添えるので、やめてくれと頼むと不思議がられるそうだ。


「箸と食べ物の真下に左手を添えるということは、食べ物が落ちてきたら手のひらで受けるということで、だったら箸でつまんだその餃子を手のひらに載せて、それを口に持ってったらどうだ。それと同じだぜ」と説明してみる。面倒なときは、みっともないからやめてくれ、とだけ言います。

「ごはんをよそった茶碗を卓上に置いたまま、箸でご飯をはさみ、そのまま左手を添えて口に運ぶのが上品に見えるか」と細かく説明するときもあります。ま、その場ではやめますな。


 テレビでよくそうやって食べていると言う若者もいたので、「とんねるずのみなさんのおかげでした」食わず嫌い王(過去2年72回分)のビデオをチェックしたそうだ。結果、一口ごと必ず添えていてみっともなかったのが5人だった。


 もちろん、添えるのが絶対にマナー違反ではない。ただ、添えたほうが上品だと信じている姿がみっともないだけです。実際タレントの7割は添えていません。つねに添える人は何かがばれてしまうわけです。大人になると注意してもらえませんからねえ。


 私だって他人のことは笑えません。いくつになっても注意してくださいませ(誰に言ってるんだ?)。
のり at 11:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 堀井憲一郎

2007年10月22日

ロッキーズの高地パズル

 松井稼頭央のいるロッキーズと松坂大輔、岡島秀樹のレッドソックスが、メジャーリーグのワールドシリーズを戦うこととなった。李啓充さんが「大リーグファン養成コラム」【週刊文春 2007年10月25日号】で、ロッキーズについて面白いことを書かれているのでご紹介したい。

 かつてのロッキーズは、弱いチームとして定着していた。その一因にホーム球場の高さがあったのだという。塀が高いのではない、標高が1600メートルもあるのだ。低地と比べて打球の飛距離が約1割伸び、投手にとっては地獄となる。ロッキーズのフロントは、高地でも勝て、ビジターとなる低地でも勝てるチーム作りに頭を悩ませていた。


 ロッキーズが「高地パズル」を解くことに成功したのは、2002年だった。パズルの答えは、「高地の野球を高地の野球でなくしてしまう」ことにあったのだが、具体的には、ボールをヒュミドー(葉巻などを保存するための加湿庫)に保管することで湿気を吸わせ、飛ばないように「加工」したのである。


 その効果は絶大で、ホーム/ロード別防御率に差が無くなった。そこでやっとチーム作りの方向が定まり、選手の養成にも力が入れられた。また数少ない補強選手である松井の活躍はメッツ時代とは別人のようだ。ちなみに、松井からポジションを奪ったメッツのホセ・レイエスは、極度のスランプに陥り、松井がそうだったように、ブーイングを浴びている…のだとか。

 さて、このコラムはまだワールドシリーズ出場チームが決まっていない段階で書かれているのだが、最後にこうある。


 ロッキーズが今の勢いを維持してワールドシリーズに進出した場合、その相手がレッドソックスになる可能性が極めて高い。大輔・秀樹VS稼頭央の対決を阻むものがあるとすれば、秋深い高地に降る雪ぐらいしか考えつかないのだが……。


 楽しみが増えました。
のり at 15:28 | Comment(2) | TrackBack(1) | 李啓充

2007年10月21日

じゃがいものような人

 椎名誠さんが「風まかせ赤マント」【週刊文春 2007年10月25日号】で、花に花ことばがあるなら、野菜にも野菜ことばをあげたいと書いている。

 たとえばタマネギは、安いにもかかわらずどんな料理にも使えるので、「従順、万能、つくす心、ひたむき、質素、永久のやさしさ」など。だいこんは、「おおらか、寛容、庶民的、世話好き、…」といった具合に、おなじみの野菜たちに野菜ことばを考えている。言われればそんな感じもしないでもないものばかりだ。

 ところが、じゃがいもが「朴訥、無骨、無口、耐える力、不屈の精神」となっているのを見て、これってちょっとどうかしら、と思った。確かに「じゃがいものような人」といったら、見た目は良くないけれど、素朴で芯が強い人のようなイメージを浮かべてしまう。でも、それはじゃがいもイコール無骨などと思い込まされているだけじゃあないのかしらん。

 先入観を取り払ってじゃがいもを見つめてみると、本当にどんな味付けにも合うし、どんな形になっても(つぶされても)自分を見失わないで、それでいてちゃんと周りと調和している。ある意味大人の野菜に思えてくる。見た目だって悪くない。そこで私からは、じゃがいもに「温厚、調和、万能、親しみ」を与えたい。

 なぜこんなにじゃがいもにこだわるのかっですって? 
ええ、ええ、じゃがいもが好きなんです。
のり at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 椎名誠

2007年10月08日

過敏性腸症候群とウォーキング

 20代の終わり頃、お腹の調子が悪くて受診したところ、「過敏性腸症候群疑い」と診断された。過敏性腸症候群(以下IBS)の症状は、小腸や大腸にこれといった疾患が無いのにもかかわらず、下痢や便秘を繰り返したりする。

「疑い」とついていたのは、まだ断定はできないけれどその可能性が高いですよ、ということだったと思う。原因はたぶん仕事上のストレスだったので、少しお休みをいただいた。

 【週刊文春 2007年10月11日号】の「病院情報ファイル」によると、この病気、症状は珍しいものではなく、特に若い人に多く(有病率は二十歳代で26%、三十歳代で17%)、成人全般では10人に1人が該当するそうだ。しかし、ほとんどの人が体質的なものと思い、受診しないとのこと。

 今はIBS専用の治療薬(紙オムツなどにも使われている高分子重合体が腸内で水分バランスをコントロールして便の固さをほどよく保つ)も開発され、他の整腸剤などと併用することによって、4週間から8週間で快便感が得られるそうなので、心あたりのある方はあきらめないで受診してみたらいかがでしょう。

 もちろん治療は、症状によって、クスリだけでなく、生活指導、心理療法なども含まれる。興味深いのは、鳥居院長(鳥居内科クリニック)のアドバイスだ。
「生活指導には、なかなか実行しにくい項目が並びますが、優先してやっていただきたいのは運動。お勧めなのは一日三十分ほどのウオーキングです。私たちは基本的に運動不足ですし、外を歩いて頭をリフレッシュすることも重要なのです」

 ウォーキングって、こんな症状にまで効果があるのかぁ。
さぁて、散歩にでも出かけよっかっな〜!! 歩数計も買っちゃったし…。
のり at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(2) | 健康

2007年10月06日

カメラを離さなかった長井カメラマン

 ミャンマーで長井健司カメラマンが射殺された事件はショックでした。お悔やみを申し上げます。

 同じ報道カメラマンの宮嶋茂樹さんも、【週刊文春 2007年10月11日号】に「死んでもカメラを離さなかった長井カメラマンを惜しむ」を寄稿している。長井カメラマンは、ビデオジャーナリストの先駆者であったそうだ。


 〇一年のアフガン取材の後、ある民放の番組でご一緒したことがあった。長井氏は、すべててのひらサイズのデジカメ、パソコン、インマル(衛星電話)という”三点セット”を披露し、「これで動画をアフガン山中から日本までとばした」とおっしゃった。そのときは、「このおっさん大ウソつきちゃうやろか」と、失礼ながら思っていた。

 ところが、その後、この三点セットは、イラク報道で名をはせた綿井健陽氏をはじめ、いわゆるビデオジャーナリストの必需品となり、この私ですら二年後、イラク戦争には、三点セットを担いで出かけるハメになったのである。

 長井氏は、安全第一で足腰の重い大新聞、大テレビの取材クルーを尻目に、小型カメラ片手にフットワーク軽く、たった一人で世界を飛び回るビデオジャーナリストのハシリであり、そのスタイルを確立した方であった。


 「誰も行かないところに、誰か行かなくては」という言葉がクローズアップされたけれど、宮嶋さんはそれよりも長井さんが倒れて息絶えんとしている時でも手からカメラを離さなかったことに彼の本領を見たと言う。

 危険な場所での取材にはいつもある覚悟をしていたことだろう。だからとってつけたような美談も批評も似つかわしくなく、マスコミが変な扱いをしなければ良いけれど、と思っていた。だが、実際は案じていた形になっていたらしい。


 テレビでは、新聞記者だったというだけで、今やスタジオボケしたコメントしか出せない自称ジャーナリストが、「弱者の味方」だの「いつも民衆の視線で」だの、長井氏の行動について、上から目線で評価していた。そういう新聞やテレビ局の社員記者の誰かが、観光ビザのリスクをしょって、一人でもイラクやミャンマーに行ったことがあるのか。


 上から目線ですか…。腹立ちますね。

 ただ、長井さんのご両親のお嘆きは、これらとはまったく別の次元の話で、あまりにいたましい。やはり「なぜ危険な場所にばかり行って、親に心配をかけ、悲しませるの?」と問いかけたくなってしまう。
のり at 22:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事・話題