2005年10月29日

モーターショーのピカピカ床

 自動車ライター・渡辺敏史さんの「カーなべ」【週刊文春 11月3日号 P.132】を読むまで、モーターショーというものは、ただクルマを宣伝する華やかな場所だと思っていた。ところが、東京モーターショーにしても、渡辺さんのようにマスコミ向けのプレスデーに行く人たちにとっては、すさまじい戦場のようだ。当日、殺気立った雰囲気に押され気味の渡辺さんは、販売末期の軽自動車の中でメモをとっていた。

 と、そうしていると横にある同じような処遇の軽自動車の周囲で、必死に物差しを当てている背広の人に遭遇する。或いは目玉の展示車の車内で恋人さながらに延々と語らう背広姿の二人組とか、地べたに這いつくばってそのクルマの底面を撮りまくるまたしても背広二人組とか……。

 ここまで読んでも、クルマに疎いせいか、何を意味しているのかわからなかったけれど、実はこの人たちは、(得てして)アジア系の自動車メーカーの人たちなんだそうだ。

 ここで計測されたデータは成田の通関を軽々と突破し、故郷に持ち帰られ、根掘り葉掘りと調べあげられて自分ちの商品に速やかに反映されるというわけだ。

 そ、そうなんですか。ずいぶんとあからさまなんですね。でもどうせ売り出されれば、いくらでも調べられることでは? と思うのは私のような素人で、発売1年前くらいのクルマを並べることもあるのだという。それではデータを守ろうと必死になるのもわかる。展示するからには見せたいのだろうけど、自社の細かい技術は秘密にしたいメーカー。その秘密の部分こそ知りたいほかの企業のスパイたち。では、展示車のデータを守るためどういう工夫をしているか。

 たとえば今回のショーならレクサスLS辺りは格好の餌食となることは目に見えているから、多分ありきたりな写真を撮るのが精一杯のひな段なんかに据えられるのだろう。或いは、陳列ブースの床をツヤツヤの白にしておくとフラッシュでハレーションを起こすので、秘部が集中する車体底面が撮られずらいなんて話も聞いたことがある。

 ピカピカの床にそんな深い意味があったとは。
のり at 10:12 | Comment(4) | TrackBack(1) | 渡辺敏史
この記事へのコメント
父が文春読者なので私もかなり文春歴長いです。今んとこ一番好きなのは渡辺さんの「カーなべ」と辛酸なめ子さんの「ヨコモレ通信」です
Posted by でぐ at 2005年11月05日 20:45
でぐさん、コメントをありがとうございます。
私も父の文春を読み始めたのがきっかけでした。
でぐさんはクルマがお好きですか?
私はまったく関心が無いのですが、それでも「カーなべ」は楽しく読めるんですよね。
今気づいたのですが、本文がだいぶ文字化けしてますね、何故なんだろう? 直さなくっちゃ!
Posted by のん at 2005年11月05日 21:27
同じです。私も車がすごい好きだとか、関心があるとかいうわけじゃないんですけど、渡辺さんのは楽しく読めます。比喩だったりがおもしろいと私は思います。あとあのイラスト(笑)
Posted by でぐ at 2005年11月06日 12:42
確かに比喩がユニークだし、
とてもわかりやすいんですよね〜。
だからクルマに詳しくなくても
面白く感じるんですね。納得です。
Posted by のん at 2005年11月06日 17:07
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東京モーターショー
Excerpt: 明日、東京モーターショーに行きます。狙いは(買うわけではありません)光岡自動車の「大蛇(おろち)」です。是非この目で見てみたい。もし可能ならコックピットに乗ってみたい。許されるならエンジンを掛けてみた...
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Tracked: 2005-10-29 10:47