2008年07月17日

心のままに

 大宮エリーさんの「生きるコント」【週刊文春2008年7月24日号】。エリーさんが会社員だったある日、修行を積んだ行者に出会い、こんなことを言われたという。

「あなたね、自分の気持ちが一番大事なんですよ。神様はね、あなたの心の中にいるんです」

「心のままに生きれば、びっくりするぐらい幸せになれますよ」

 エリーさんは、社会で生きていくなかでそれは無理なことだと思ったが、アドバイスに従って修行を始めた。たとえば、蕎麦が食べたくなったら、何が何でも蕎麦を食べに行く。花が足りないと思ったら自分のデスクに毎日花を飾った。そして、ついに「会社、やーめよっと」という心の声が聞こえ、本当に会社を辞めた。

 心に耳を澄ますって、なかなかできないよ。でも小さなことから始めたら、私にも心の中にいる神様の声が聞こえてくるのかなぁ。

 そんなことを考えていたら、野茂投手の現役引退のニュースが流れてきた。歴史的な一勝目を目の前にして、ベンチで隣の選手が野茂の胸に手を添え、ドキドキだろう?というジェスチャーをしていたのを思い出す。

 野茂は、まさに自分の心の声に正直に生き、貫いた人だ。幸せな現役生活だったに違いない。

 きょう、生きるヒントをもらったような気がしている。
のり at 22:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 大宮エリー

2007年09月02日

ゴキブリやないカブトムシや!

 昨夜茶の間にコオロギがいるのを発見。外に出してやろうと思ってティッシュでそっとかぶせるように掴もうとしたら、ピョンピョンと逃げてしまう。追い掛け回しているうちにどこかに隠れてしまった。

 私は基本的に虫は苦手ではなく、危険なもの、たとえば毒を持っているとか、刺すとか、噛み付くとかでなければ触ることも平気なほうだ(ただし殺せない)。例外は蝶と蛾で、これだけは見るだけで気持ちが悪い。不思議なのは、子供の頃は蝶の図鑑なども持っていてよく見ていたことだ。今思うと気がしれない。

 映画監督大宮エリーさんも今は虫嫌いなのに、子供の頃は虫捕りが好きで獲物に注射して標本まで作っていたくらいだったそうだ。エッセイ「生きるコント」【週刊文春 2007年9月6日号】にそんな話がある。それにしても、「生きるコント」というタイトルは、大宮エリーさんの生活そのものをうまく表している。

 今回の話もまさにコントだ。蚊すら殺せない大の虫嫌いの大宮さんだったが、必要に迫られてなんとかできるようになった。ところがある日の夜、窓からゴキブリが入ってきた。さすがにパニックになったエリーさんは絶叫、やがて互いに睨みあったまま…。


 おかんに電話した。おかんは必死にわたしに呼びかける。「よく聞きや!それはゴキブリやない、カブトムシや!」無理があるよ。気持ちは分かるが、ものすごく触角がぴよぴよしている。「おかん、無理だよ、とてもカブトムシに思えない」「お湯をわかして熱湯をカブトムシにかけなさい!」どっから見てもゴキブリだ。でも新聞紙もないし、殺虫剤もないから、おかんの言う通り、熱湯作戦しかない。うまくいくのか。片手鍋でお湯をわかし、ゴキブリ、いやカブトムシに近づく。一撃で仕止めないとえらいことになる。「大丈夫や、カブトムシや!」シャラポアばりの大声を出して片手鍋を振り下ろす。その瞬間、湯気が立ってゴキブリは裏返った。



 う〜ん、人生がコントなのは、大宮エリーその人だけでなく、この「おかん」から引き継がれたものだったのだ。

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ケータイを近づけたときは逃げなかったコオロギ
のり at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大宮エリー

2007年01月12日

イエローリンパ、フローイング

 海外旅行中にケガをしたり病気になったりすると、さぞかし心細く大変だろうと思う。映画監督・脚本家である大宮エリーさんが、そんな体験を「生きるコント」【週刊文春 2007年1月18日号】に書いている。

 何年前のことか、ある年の始めに、(どうやら一人で)オーストラリアのユースホステルに宿泊したらしい。鉄パイプの二段ベッドの上段に寝た。床はコンクリート。四人部屋という相部屋なので、警戒してベッドの壁際に荷物を置き、外側に寝たのが間違いの元だった。気持ちの良い夢を見た。そこで勢い良く海に飛び込んだ……はずだった。が、床に落ちていた。

 激痛で目を覚ましたが、そこには冷やすアイスも救急箱も無く、心細さに涙がポロポロ。しばらくして海外保険を思い出し、電話して、なんとか近くの病院にたどりついたものの、暗く不衛生な雰囲気なうえに患者がごった返していた。

 額からは血ではなく黄色い液がデロデローンと流失していた。リンパ液だ。これを伝えねば。でも、英語でなんといっていいか分からず、「イエローリンパ、フローイング、イエローリンパ、フローイング」と繰り返した。東大でたのになんたる英語力。当然、通じない。

 しかも4時間待ちだという。費用はかかるが別の病院があることを知り、そちらに出向く。明るくて清潔な病院に安堵するが、やはり、イエローリンパ、を繰り返すしかない。それでもドクターは察したようで、ある液体をガーゼに浸し、額にあててくれた。これで治療は終わりだと言う。
 
 ケガの場合は言葉が通じなくても、見た目でおおよその判断はしてもらえるけれど、気持ちが悪いとか、息が苦しいとか、説明しにくい病気だったら、どんなことになっていたやら。ところで、大宮エリーさんが受けた治療の中身は、いったいどんなものだったのか。

 おそるおそるわたしは聞いた。その小瓶の液はなんですか、と。ドクターは言った。生理食塩水だよ。し、塩水かよ! 

 こんどこそ本物の海に飛び込めば良かった?
のり at 11:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大宮エリー